次世代携帯電話

目次

1 はじめに
2 ケータイの歴史
3 これからどうなる?


1 はじめに

2002年になって、ようやく第三世代携帯電話の普及が始まりました。
ところで、第三世代って何でしょう。どうなると世代が変わるのでしょう。

携帯電話の世界での「世代が変わる」というは、「通信方式が変わる」ということです。
端末を買うときに選ぶ基準として、例えばメールで絵文字が使える、カメラがついている、
JAVA対応などをカタログで見ると思います。しかし、これらは「世代」とは無関係です。

携帯電話の世代数は、通信キャリアさんやメーカーさんが便宜上言っているだけと考えても差し支えないので、
一般ユーザさんは余り気にしなくてもよいと思います。
しかし、ケータイはこの先どうなるのかなというのは気になるかと思います。
それについてはあとでお話しようと思います。

未来の前に、ちょっとだけケータイの歴史を簡単に振り返ります。



2 ケータイの歴史

(1) 第一世代〜アナログ
最初はアナログでした。1979年に「自動車電話」としてサービスが始まりました。
子供のころ、「西部警察」という刑事ドラマで石原裕次郎が片手で運転しながら、
自動車電話をかけていたのがかっこよかったなあと覚えています
(今は運転中に電話をしてはいけません)。

1985年、肩にかけるタイプの「ショルダーホン」ができ、持ち運びができるようになりました。
さらに1987年、「携帯電話」という言葉でサービスが始まりました。
アナログ携帯電話は、固定電話と同等の音質があったのですが、
盗聴されやすいという問題がありました。
また、ある周波数帯を一人が占有するため、電波利用効率が悪いという問題もありました。
それらの問題を解決すべく、デジタル化が推進されました。

(2) 第二世代〜デジタル
音声データを数値化(符号化)し、圧縮します。
そうするとある周波数帯を複数のユーザで共有できるので、
周波数利用効率が高まります。
また、符号化は秘話性の向上にも役立っていますので、盗聴されにくくなりました。

携帯電話の普及が加速したのは、
1994年の端末レンタル制から買い取り制へ移行したあたりからです。
段階的に利用料、通話料が安くなり、新規加入料も廃止されました。
また、端末の価格も2万円を切るものが出始め、
携帯電話を入手しやすい環境が整いました。

この世代には様々なサービスが始まり、
「電話機」から「通信端末」へと変ぼうしていきました。
決定的だったのは、携帯電話やPHSでメールができるようになったことでしょう。
これで、ページャ(ポケットベル)の加入者が一気に携帯・PHSへ移行しました。

ショートメール、E-メール、i-modeに代表されるインターネットアクセス、
パケット通信サービス、JAVAによるゲーム、カメラの搭載、GPSの搭載…。
今はありとあらゆる業者がケータイでのビジネスを考え、
「なんでもケータイ」でできるようにしようという流れができています。
日本はモバイル利用世界一の国になったのです。

携帯電話の使い方はi-modeのサービスが始まった1999年に大きく変わったといえます。
ですから、1999年からを「第三世代」と呼ぶ人もいます。

(3) 第三世代〜世界標準
FPLMTS(Future Public Land Mobile Telecommunication System)
という名のもとで世界標準規格が1990年代から検討され始めました。
世界中で使える携帯電話を作ろうというものです。
その後、「IMT-2000」と名前が変わり、
本当は世界統一の規格を作るはずだったのですが、
NTT Docomo社が推す「W-CDMA」方式と
米国Qualcomm社が推す「cdma2000」方式の2つが採用されました。
残念ながら、世界中でというわけにはいかなかったのです。

W-CDMAまたはcdma2000の方式を使ったものを「第三世代」と呼んでいます。
データレートの高速化が最大の売りです。そのおかげでテレビ電話が実現しました。
今、第三世代は行き詰まりを見せています。

NTT Docomo社が2001年より開始した第三世代サービス「FOMA」は、
加入者の増加が伸び悩んでいます。
ユーザがテレビ電話に魅力を感じていないのかもしれません。

一方、KDDI社の「cdma2000 1x」は順調に伸びていますが、
第三世代の高速レートを利用しているのは、加入者の1割程度のようです。
ユーザはカメラ付き、メール機能強化といった付加価値の方を求めているのかもしれません。

欧米では第三世代への移行に慎重です。
基地局などの設備投資が膨大になることと、
投資に見合った効果が見えないことが原因です。
固定網のブロードバンドと同じですが、キラーアプリケーションが現在のところありません。
第三世代が成功しないと、第四世代も見えてきません。

 



3 これからどうなる?

(1) 第四世代の前に〜なんでもケータイに
第二世代から携帯電話は「単なる電話機」から
「情報端末」へと変貌したと前にも書きました。
今後端末はどうなっていくのでしょう。

筆者はある製品の展示会に出かけました。
その製品は携帯電話とは関係ありません。
各メーカの説明員と筆者の間には決まって次のような会話になりました。

筆者:「この最新の製品はLSI化で小型化できました。今後これをどのように応用していくのですか?」
説明員:「そうですね、携帯電話に搭載したいですね。」

情報関係以外の業種の人々も携帯電話のビジネスを考える時代になりそうです。
もし、すべてが搭載されれば、「情報端末」から「何でもできる機械」へと進化しそうです。
ほんの一例ですが、

・画面に2次元バーコードを表示し、定期券になる
・端末に電子マネーをダウンロードし、財布代わりになる
・アンテナの先に温度センサが付き、体温計になる
・血流値計算機能がつき、健康管理端末になる
・GPS、加速度センサ、気圧センサを組み合わせ、歩行記録端末になる…

上記はこれからの技術ですが、今の技術での応用で増えそうなのは、
「システムに何か障害が発生したときに、瞬時に担当者へメールが届く」機能です。
確かに便利そうですが、当の担当者は休まる暇がなさそうです。
便利は必ずしも人を幸せにするとは限らない例ですね。

(2) 第四世代は?
現在は影も形もありません。新しい方式も提案されていません。
2006年ごろから検討が始まり、
2010年ごろ本格的にサービスが始まるのではないかと言われています。
第三世代の普及如何でこの時期は前後しそうです。
大きく普及すれば、第四世代は早まるでしょうし、
普及しなければ、第四世代も遅れるでしょう。

無線LANなどほかの無線方式と融合するのではないかとも考えられています。
静止時には無線LANで高速通信、移動時は携帯で低速だが切れない通信といったふうに、
ユーザが意識せず無線方式をシームレスに切り替えられるようになるでしょう。

携帯電話の無線装置と無線LANの装置は、ハードウェア的には異なるものです。
両方の装置を搭載すると、端末が大きく、そして重くなってしまいます。
このハードウェアで処理している部分をソフトウェアでできるようにしようという動きがあります。
「ソフトウェア無線」と呼ばれるものです。
現在は研究段階ですが、数年のうちに製品化されるでしょう。
そうなれば、ユーザは無線方式を気にせず、
最適な手段でインターネットを利用できるようになるでしょう。

2002年に入り、無線LANサービスが始まりましたが、
外にPCを持ち出して利用する人がどれくらいいるのか不明です。
少ないパイの奪い合いとの指摘もあります。
自治体、企業などが利用法を一生懸命考えていますが、決定打が出ていません。
技術は進化していますが、利用法が追いつかないのが現状です。

「ケータイバブル」は本当にはじけてしまったのでしょうか…

 




財団法人 未来工学研究所
知識社会研究センター

〒135-8473
東京都江東区 深川2-6-11富岡橋ビル4F

TEL:03-5245-1015
FAX:03-5245-1062
kbes@iftech.or.jp

所在地地図はこちらです